子どもの習い事の先生という仕事(女性の場合)

cheer(work)
Group of active children dancing in front of the large mirror while having choreography class in the dance studio. Female dance teacher and kids. Contemp dance. Hip hop. Full length

習い事の中でも、個人経営でなく組織で運営されている学習塾やスポーツクラブ等に女性が勤めることについて考えていきたいと思う。

個人宅でやっているようなところは今回のケースからは排除させてもらいますが、女性が習い事の先生として働く場合、いくつか問題がある。

結婚

最初の壁は結婚。夕方以降から本格的な勤務時間になるから、友人に飲み会などに誘われる機会が減る。土日も仕事があることが多いので、旅行の予定を組むのが難しい。そもそも職場以外に出会いがないから、女性ばかりの職場の場合は最悪だ。夜23時以降に会ってくれる変人か同業者でないと、理解してもらえない。もし良い相手が現れたとしても、実際の結婚生活をイメージするのが難しいだろう。

出産

めでたく結婚でしたとして、次なる壁は出産。出産を機に仕事を辞める選択をする人が大半だ。元気な子どもたち相手の仕事で、妊娠中の勤務も難しいし、産休明けに戻ろうと思っても、子どもの預け先が見つからない。預けたいのは日中じゃなくて夕方以降だからやっかいだ。旦那の給与で生活できるのであれば、職場復帰はないに等しいし、このタイミングで日中にできる仕事を探すのが普通だろう。

子育て

こども園や小学校にあがると、子供が帰ってくる頃に仕事が始まるから、朝しか子供といる時間が持てない。親の協力と旦那の理解がなければ子育ては難しい。朝しか会えないとわかると子どもも登園拒否するし、土曜保育もお願いすることになるので、子どもにも辛い思いをさせてしまう。子どもが一日休みの日曜日も当然仕事。学校が休みの時が、私たちの稼ぎ時だからだ。

そんな状況でも理解してもらうためにはまず、旦那より稼ぎや待遇が良いことが条件になってくると思うけれど、私の場合はそんなに給与が良い仕事なわけではない。同年代の旦那が正社員で務めた方がよっぽど良い給与がもらえるだろうが、うちは旦那がパートを選び私が正社員を選択した。それがお互いにとって都合の良い選択だったからだ。その点においても我が家はかなりのレアケースだと思う。

こども園と小学校

こども園はみんな働いている前提だから、そうそう大変なこともないが、お迎えの時が一番ママ友同士でコミュニケーションが取れる時間だったりする。先生とゆっくり相談できるのもお迎えの時だけど、お迎えに行ってくれる旦那や祖父母から伝言を聞いてもよくわからないし、旦那と祖父母も私が理解している体で聞いてくるから伝言ゲームはいつも失敗する。それでお互いイライラすることがしょっちゅうあった。

小学校に上がると、急に昭和のにおいがする。相変わらず旗振り当番は回ってくるし誰得なPTAは存在するし、給食の割烹着はアイロンをかけなきゃいけない仕様だし、面談や授業参観は当然のごとく午後にある。そして、それらには当然のように母親が参加する。

夕方以降の仕事なので、日中に呼び出されるのは逆に好都合のパターンもあるのだけれど、PTAの会合なんかは決まって夜。日々困るのは子どもの持ち物だ。事前にお知らせしてくれるものも多いのだけど、深夜に帰宅して連絡帳に「おりがみ」とか、書いてある時には「げっ」となる。今はコンビニになんでも売っているから、結局は朝一緒に登校してコンビニで買って渡すのだけど、帰ったらお家の人に渡しましょう的な風習はやめていただきたい。

生活リズム

子どもがいない間は、深夜に帰宅しても動画をみたりゲームをしたり本を読んだりゆっくりお風呂に入ったりする時間があったけど、朝6時には起きるから帰ったらとにかくすぐに寝る。24時に寝れたとしても睡眠時間は平均6時間ぐらいだ。

朝起きて子どもを送り出して8時。ごみ捨てや洗濯をして9時。私(ダンスの先生)の場合、日中メールの返信や問い合わせの電話などの事務作業に加え、曲選びや振付など終わりのないクリエイティブな仕事にレッスン準備、請求書や衣装の発注や納税や振り込みなどの経理作業に、スタッフ間のコミュニケーション、代表とのミーティングなど、日中にやることもいっぱいある。

余裕のある日はレッスンに備えて昼寝をする。これも大切な体調管理法。夕方17~22時でほぼ毎日レッスンが入っているから、体力もつけないといけないし、病気やけがをしたら代わりはいないし、体が資本の仕事だから体調管理も仕事の内。そして体がカッスカスになって一日が終わる。

後輩を育てる

普通の仕事に比べれば、かなり時間の融通はきくし何より楽しいし遣り甲斐もある。でも、上の諸々に見合った給与かと言われればそうではないし、どう考えても女性が働く職場としてはマイナスなことが多い。若いスタッフが入ってきたときは、「子どもが好き」とか、「教えることが好き」とか、やる気いっぱいで入ってくれるのだけど、しばらくすると、「結婚するのでやめます」となる。それは正解だし当然で、引き留めることは出来ない。

20歳ぐらいで始めたとして一人前に仕事ができるようになった4,5年後に辞めていってしまうから、会社としての損失は大きすぎる。そして、また一からやり直し。後輩に相談されても、「子育てしながらこの仕事をするのは大変だよ。」と言うしかない。理解のある旦那さんをみつけて、週に1.2回扶養内でやるのが正解だとアドバイスするしかない現状。

夢ある仕事

私としては、もっと夢ある仕事にしたいのだけど、時間的にも給与的にも夢にするには程遠い。「将来先生みたいになりたい!」と言ってくれる生徒さんも少なくはないのだけれど、心の中で『やめておけ』と思う。実際、私はこの仕事が好きだし、後悔しているわけではないけれど、いろいろ条件が重なって今、こうして働けている。旦那や両親が協力的で仕事のことを理解してくれているのが一番大きいかもしれない。

一日の中で何が楽しいかと言えば、こどもと過ごせる時間とレッスンをしている時間。欲を言えば、家族とゆっくり過ごす時間的金銭的余裕が増えたらよいけれど、私の幸福の選択でこうなっている。いくらお金を積まれてもやりたくない仕事に時間を割きたくない。定時に帰れても子どもに見せる親の姿がイキイキしていなければ意味がないと思う。毎日忙しいけれど、息子は今は私の仕事を少し理解してくれて「お仕事がんばってね!」と言ってくれる。旦那に仕事のことで愚痴を言うこともあまりないし、私がこういう仕事をしていることを尊敬してくれている(多分)。

学校の先生同様に、むしろそれ以上にこども達の成長や人生に関わることのできる尊い仕事だと思っている。せめて働く時間の調整と、体調管理をしやすい勤務体系、急な休みにも対応できる人材配置と、尊厳の保てる給与を保証できるようにしたい。そのために今やるべきことは生徒を増やして財源と仕事を増やすこと。一会社員ではあるけれど、生徒さんたちはもちろん一緒に働くスタッフを幸せにしたいし、こういう職場で働き続けることができる女性を増やしていきたい。

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